「企画書」を作って終わりではない。企画承認までの合意形成を進めるプロジェクトリーダーの実践例
发布时间:2026-09-15 | 浏览:2
大企業で新しいプロジェクトを立ち上げるとき、最初の壁の一つが「経営層の承認を得る」ことです。
承認を得るために企画書を作り込むことは重要です。ただ、それだけで終わりではありません。今回の記事では、プロジェクトリーダーへのヒアリングをもとに、不確実性の高い新規事業の企画承認をどのように進めていったかという実践知を紹介します。
プロジェクトリーダーが実際にどう動いたかを知ることで、自身の現場に活かせるヒントを見つけていただければ幸いです。
企画承認の準備段階:経営層の懸念点を先読みする
新規事業の価値を、決裁者の価値観に翻訳して伝える
「何を話すか」に応じて「誰が・いつ話すべきか」を意識する
承認結果やフィードバックを仲間づくりに活かす
経営層に向けた提案の準備ですが、まず社内の提案フォーマットがあればそれに沿って資料を整えることが、承認を得るための基本的な土台になります。フォーマットを埋めたあとで重要になるのが、経営層が指摘するであろう懸念点を事前に予測し、先に答えとなるデータを用意しておくことです。経営層は「本当に売れるのか」「市場は縮小していないか」といったリスクに対して考える立場にあります。そういったことを事前に予測したうえで経営層の視点に立って提案を見直し、懸念事項に関してあらかじめ対策しておくことが必要となります。
新規事業では、扱う商材によっては最終的な決裁者がその領域の専門ではないことがあり、必ずしも答えを持っているとは限りません。判断軸を上位層が持っていない場合は、判断軸も含めて示していくことが必要になります。
しかし、新規事業は前例がないため、外部環境による判断軸、例えば「これからはこういう時代だ」といった一般論やトレンドを正面から説明しても響かないことがあります。ヒアリングでは、正攻法で将来性や世の中の潮流を説明したものの社内には伝わらず、必要な予算の大きさにも難色を示される、という壁に直面したことをうかがいました。
ここで有効だったのが、新規事業の価値を「決裁者がすでに理解し、大切にしている価値観」の言葉に翻訳して紐づけるという伝え方です。
たとえば、次のようなアプローチがうかがえました。
まず、成果指標(KPI)への翻訳です。新規事業の価値を一般論、世の中のトレンドやキータームで語るのではなく、「既存の主力事業への貢献」「将来の顧客価値」といった社内の関係者が判断の拠り所にしている既存ビジネスの言葉に置き換え、分かりやすいKPIに落とし込みます。
また、決裁者自身が体現している価値観への紐づけをおこないます。決裁者が普段から大切にしている考え方や、自社の製品・サービスが生み出している価値に対して、新規事業がその価値をどう広げるかを結びつけて語ります。加えて、その価値を言葉で説明するだけでなく、決裁者が実感できる形で体験してもらう段取りまで設計する事例もありました。相手が何を喜ぶのかを起点に「見せ方」を工夫し、腹落ちする状態をつくったのです。
ポイントは、相手の理解の文脈に合わせて伝え方を「翻訳」することです。決裁者がすでに価値を認めているものと新規事業を結びつけられれば、判断軸を持たない領域に対しても納得を引き出しやすくなります。
準備が整ったら、いよいよ経営層への提案です。ここでプロジェクトリーダーが意識したいのは、情報をただ伝えるのではなく、「何を話すか」だけではなく「誰が・いつ話すべきか」まで含めて、伝え方の経路を設計することです。
まず、話し手の役割分担です。現場の状況や事業の具体的な内容、なぜこの事業が必要なのかといった現場に根ざした話は、解像度高く語れるプロジェクトリーダー自身が担います。一方、他の事業部門との協業など経営レベルの調整が必要な内容については、上長に担ってもらう。このように「何を話すか」に応じて話し手を分けることが有効です。
さらに、同じ内容でも「誰から・いつ伝わるか」で相手の受け止め方は変わります。決裁者が判断しやすいのはどの経路か、どのタイミングかを踏まえて、情報が届く道筋そのものを設計しておくことがポイントです。自分が正面から主張するよりも、第三者の視点を通じて伝わったほうが決裁者の腹落ちにつながると判断した場面では、その第三者から情報が伝わるよう段取りをする方法もあります。誰の言葉として、どの順番で届けるかまで設計することで、提案の中身が同じでも通りやすさは大きく変わります。
企画承認では、経営層の承認を得ること自体がゴールになりがちですが、その先にも活かせる場面があります。承認という「会社の意思決定」は、新規事業の仲間づくりに活かせる材料にもなります。プロジェクトを推進する際に、プロジェクトリーダー個人の力だけで協力を依頼するのではなく、「会社の方針」として現場に伝えることで、協力を得やすい状況をつくることができます。
また、承認を得るたびにその成果をチーム全体で共有し、喜びを分かち合うことも大切です。新規事業を一人の力で進められることは、なかなかありません。経営層からの評価やフィードバックをメンバーに丁寧に共有することで、「自分たちがプロジェクトを動かしている」という自律性が生まれます。メンバーが前向きになり自主的な提案が増えると、リーダーが担う負担も結果的に軽減されます。
今回は、不確実性の高い新規事業の企画承認をどのように進めていったかという実践知を紹介しました。
承認を得るためにリーダーが担う役割は、企画書を作ることだけではありません。もちろん事業の成立性を示すデータを揃えたうえで、経営層目線で企画書を磨くことが土台になります。そのうえで、新規事業の価値を決裁者がすでに大切にしている価値観や既存ビジネスの言葉に「翻訳」して紐づけると、決裁者からも納得を引き出しやすくなります。さらに提案の場では、現場に関わる内容はリーダーが、他の事業を巻き込む内容は上長が担うという役割分担するというように、誰から・いつ・どの経路で伝えるかまで設計することで、同じ内容でも提案の通りやすさを高めることにもつながるといえそうです。そして承認結果は都度プロジェクトメンバーに共有することで、仲間作りのための材料とすることもできます。
企画承認という役割一つとっても、多くのやるべきことがありますが、プロジェクトリーダーが一人で抱え込む必要はありません。そして新規事業を一人の力で進めることはとても難しい。専門知見を持つ人材や上長を適切に巻き込みながら進めることで、結果的にプロジェクトを推進させ、ひいてはリーダー自身の負荷を減らすことにもつながります。
コパイロツトは、課題整理や戦略立案から参画し、プロジェクトの推進支援をいたします。お気軽にお問い合わせください!
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