ナショナルFF式石油暖房機の欠陥による死亡事故
发布时间:2026-08-19 | 浏览:4
ナショナルFF式石油暖房機の欠陥による死亡事故 (ナショナルエフエフしきせきゆだんぼうきのけっかんによるしぼうじこ)は、 パナソニックホールディングス が 1985年 から 1992年 まで販売した、 FF式石油暖房機 の構造不良を原因とする、 一酸化炭素中毒 による一連の死亡事故である。
一酸化炭素中毒 事故による死亡事故が 2005年 1月5日 に発生し [ 1 ] [ 2 ] [ 3 ] 、その後も事故が続発した [ 2 ] 。
FF式(密閉式・強制給排気形)暖房機は1980年代中頃に開発されたもので [ 2 ] 、壁に穴を開けて給排気筒を通し、屋外の空気を機械に送り込んで燃焼させ、燃焼ガスは屋外に排出するタイプの暖房器具である [ 2 ] 。
奈良県 大和郡山市 にあった松下住設機器(松下電器産業に吸収合併の後、現在は社内カンパニーのアプライアンス社)で、152,132台が販売された。
1月に発生した死亡事故の直後、松下電器は一般家庭などから同機種31台を回収して調査したところ、9台にゴムホースが劣化し亀裂が生じており、一酸化炭素を含む燃焼排気ガスが逆流することが判明した [ 4 ] 。石油温風機に不具合が生じていたことは公表されていなかったが、2月と4月にも負傷者を発生させる事故が立て続けに発生したことから、4月20日に松下電器は記者会見を実施し、ゴムホースを銅製ホースに交換する リコール(製品の無償修理) を発表した [ 4 ] 。翌4月21日には新聞紙面上において『謹告 [ 注釈 1 ] 』と題した社告を出し、無償での部品交換をすると公表したが、その内容には当該製品を未点検のまま使用した場合、「室外に排出される一酸化炭素を含む排気ガスが、ごく稀にエアホース内に逆流し、室内に漏れ出す恐れがある」と死亡事故に至る危険性があることは明記されておらず、また使用の中止要請に関しても「異臭・異音・運転停止等の異常にお気づきの場合」に室内の換気と使用を中止するように呼び掛けるに留まっていた [ 5 ] 。しかしながら、この時点では徹底した市場対策はなされておらず、有効な対策を打てぬまま2度目のシーズンを迎え死者を増やす結果につながった [ 6 ] 。
11月21日 、修理漏れの対象製品を使っていたユーザー宅で新たに死亡事故が発生した。 経済産業省 は対象機種の生産から13年から20年が経過していることも影響して修理対応が進んでいないと見ていたため、 11月29日 の夕方に同日付けで 消費生活用製品安全法 第82条に基づく緊急命令(現:同法第39条に基づく危害防止命令)を発出した [ 7 ] [ 8 ] [ 9 ] 。
交換した銅製ホースが機械から脱落する事故は全国で13件にも及んだ。
1985年から1992年 - 販売期間
2005年1月5日 - 1件目の事故
2005年2月23日 - 2件目の事故
2005年4月13日 - 3件目の事故
2005年4月20日 - 松下電器、記者会見を実施
2005年11月21日 - 4件目の事故
2005年12月2日 - 5件目の事故
2005年12月5日 - 経済産業省がNITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)に原因究明を依頼した。
2006年11月 - ファクシミリのフリーダイヤル回線(0120-870-779)開設
事故原因は、 バーナー に外気を送るゴムホース(2次エアホース)の亀裂により 不完全燃焼 を起こしたこととされた [ 2 ] 。また、事故に至った現場に設置されていた当該石油温風機には、燃焼用送風機の異常による送風量低下や吸排気筒の変形、動物の巣が形成されるなどの異状があり、それら複合的な要因が重なることで 一酸化炭素 がさらに多量に発生したことが実証されている [ 3 ] [ 4 ] 。ゴムホースには アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR) が用いられており、また2次エアホースはS字状に湾曲した形状であり、取り付け時にねじれた状態になることでホース表面にストレスがたまる状況となっており、さらにバーナーのある燃焼筒の直下にあることで燃焼による熱の影響を常に受け酸化がさらに進行するという構造上の欠陥を抱えていた [ 3 ]
更に根本的な構造上の問題として 燃焼空気を送風機で圧送し燃焼室~排気部が正圧となっているため、排気漏れが起こりやすい構造であった。他社品は排気接続部直前に強制排気送風機が設けてあり、吸気部からこの強制排気送風機までの間は負圧のため、万一接続外れや燃焼確認窓・燃焼室の気密が失われても吸気するだけである。
4件目の事故を踏まえ、松下電器は11月30日に新聞紙面上において4月以来となる『謹告 [ 注釈 2 ] 』を行ったが、内容は4月21日の『謹告』と変わり当該製品について「場合によっては、死亡事故に至る恐れがある」と、事故に至る危険性がある旨を明記し、また未点検品を使用しているユーザーに対して直ちに製品の使用中止を求めるようになった [ 11 ] 。
2005年12月6日には、対象製品の無料での点検修理から対象製品の1台5万円での引き取り [ 注釈 3 ] を決め、松下電器(National/Panasonic)だけでなく松下グループ全社の一般テレビ・ラジオ CM を全て「 ナショナルFF式石油暖房機を探しています 」と題する対象製品の リコール告知CM(お詫びCM) へ差し替える(内容は後述)、ガソリンスタンドや店舗、新聞折り込みなどでチラシを配布するローラー作戦を決行するなど対策を強化した [ 6 ] 。松下提供のラジオ番組『 歌のない歌謡曲 』でも12月8日から松下のCM放送を急遽中止し、一時は公共広告機構(現在の ACジャパン )のCMに差し替えられ、 12月12日 からはお詫びCMを放映した。 TBS系列 で放送の『 ナショナル劇場 』のCM [ 注釈 4 ] も、発生当時(12月12日放送分: 『水戸黄門』第35部 の第10話)は公共広告機構と並行してお詫びCMの長編(30秒が1回、それ以外は60秒)を放送した。
12月8日(地方紙では12月9日)には、当時の松下電器産業の代表取締役社長であった 中村邦夫 名義で『 お詫びと、大切なお知らせ 』と題した新聞全面広告を打ち、新たな事故が発生したことや経済産業省からの緊急命令が下されたことへの報告と謝罪をした上で、「なんとしてもこれ以上の事故は防がなければならないと考えております。広告をご覧になり、お心当たりのある方は、どうか速やかにお申し出くださいますよう切にお願い申し上げます。」とユーザーに対して再度回収への協力を呼び掛けた [ 12 ] 。また、交換した銅製ホースが機械から脱落する事故は全国で13件にも及んだため、急遽 12月10日 から 12月19日 までの10日間は放送でのコマーシャルを全てお詫びCMに差し替えた。通常の松下CMが再開された
12月20日 以降も、対象製品が多数出回っている 北海道 ・ 東北 などの一部地域と民放BS・一部のCS放送局ではスポットCM中心にお詫びCMを集中させた。ラジオ番組『歌のない歌謡曲』でも継続してお詫びCMを放送した( TBSラジオ の場合、番組内1回と終了直後1回)。
2006年 1月12日 には約6万台の所在が確認できていないとして、宛先を特定せず指定地域の全戸に郵便物を送付できる 日本郵政公社 (現在の 日本郵便 )のサービス「 配達地域指定郵便物 (タウンメール)」を利用し、「 松下電器より心からのお願いです 」と題する、対象製品の修理・回収を呼びかける はがき を送ることを発表した。2月中旬から全国の全世帯4900万(前年度 国勢調査 速報値による)と宿泊施設1100万箇所、計約6000万箇所に送付した [ 13 ] 。はがきには回収対象の石油暖房機(石油温風機と石油フラットラジアントヒーター)の写真と、24時間体制で受け付ける フリーダイヤル の電話番号(0120-872-773)が印刷されている。
2006年11月、リコール開始当初から対象製品としてリスト入りしていた 寒冷地仕様 の煙突付き機種 [ 注釈 5 ] の写真を追加した。この頃、ファクシミリのフリーダイヤル回線(0120-870-779)も開設された。
2007年5月末時点で、テレビのお詫びCMを4万2,000本放映し、チラシ6億9,000万枚を配布し、費用249億円をかけて回収を呼びかけたが [ 2 ] 、回収率は70%余りに留まり [ 2 ] 回収が難航 する中、いつでも使用できる「危険な状態」のケースや使用しないままで放置されているケースの修理・回収を進めており、既に廃棄処分(買い替えに伴うものも含む)された情報も集めている。
その後も対象製品の全台数が回収に至っていないため、社名変更後も引き続き、規模を大幅に縮小しつつもお詫びCMの放送(2009年頃からは、暖房機器の使用が始まる冬場や、暖房機器の使用が終わる春先を中心に流される)およびチラシの配布を行っている。連絡先についてはフリーダイヤルの電話番号はそのままであるが、高齢者などのユーザーに現社名が周知されていない懸念があるため、社名は必ず「パナソニック株式会社 (旧社名:松下電器産業株式会社) 」 [ 注釈 6 ] ただしフリーダイヤルの受付時間は24時間体制から平日のみに縮小され、時間外や休日は留守番電話での受付へと移行した(ファクシミリは24時間のまま)。社名変更以降、パナソニックが「 今でも見つかっています 」としてチラシやウェブサイトで挙げている発見事例は以下の通り。
各種住宅 空き部屋(使われなくなった子供部屋、設置されている部屋を物置代わりにしていた、等) 実家(帰省時に発覚した、等) 高齢者世帯(上述の実家、ホームヘルパーの訪問時に発覚した、等) 介護世帯(同上) 親戚世帯 空き家(中古住宅も含む) 別荘
空き部屋(使われなくなった子供部屋、設置されている部屋を物置代わりにしていた、等)
高齢者世帯(上述の実家、ホームヘルパーの訪問時に発覚した、等)
各種施設 事務所 集会所 店舗 宿舎 研修所
各種収納スペース(リフォーム等で収納していた、等) 倉庫(農作業用も含む) 物置(上述の空き部屋転用も含む) 押し入れ 納屋 ガレージ
物置(上述の空き部屋転用も含む)
パナソニックではお詫びCMの「全台数の把握に向けて、引き続き、探しております」とのテロップや、チラシの「いまだ全数把握には至っておりません」等の記載、ウェブサイトの「依然として全台数を確認するには至っておらず、」の記載等で、最後の1台が発見されるまでFF式石油暖房機市場対策活動を継続する意向を明らかにしており、 長期化 は決定的なものとなった。
2026年3月現在お詫びCMは放送されていないが、企業公式サイトのトップページには通年で「 ナショナルFF式石油暖房機を探しています 」 [ 注釈 7 ] とこのお詫びを掲載し続けている。また、暖房シーズン前後にはチラシ(その他のリコール事案を集約したチラシも含む)配布や公式SNSアカウントへの投稿も継続している。全ての対象製品が製造を終了してから30年以上、最初の死亡事故が発生してから20年以上が経過した現在もパナソニックは松下電器産業時代のFF式石油暖房機を「探し続けて」いる。
対象製品は2026年3月時点で、152,132台のうち118,706台分の利用者が判明(廃棄・買い替え、回収・修理)しているが、差し引いた残り33,426台が発見に至っていない 。
お詫びCMは基本的に、「ナショナルFF式石油暖房機を探しています」という本題のもと、対象製品の品番を列挙し危険性を述べた後に品番確認と使用中止を要請し、連絡先のフリーダイヤルを案内し、謝罪で終了する構成となっている。CMの秒数や放映時期等により差違があるが、対象製品に存在する給排気筒・煙突については強調表示される。
各バージョンの内容は概ね以下の通り。
事故発生直後の 2月10日 、松下電器は石油暖房機だけでなく石油給湯機なども含む石油機器からの完全撤退を決めた(合理化のための撤退という説もある)。以降、ナショナルショップ(松下製品取次店)に供給される石油暖房機器は コロナ 製品に変更された [ 15 ] 。また、事故との関連は不明であるが、石油機器からの完全撤退に合わせ、2005年から過去20年間に製造されたFF式石油温風機・ふく射ヒーター全機種97機種に対して、無償での点検活動を行う「ご愛顧御礼キャンペーン」なる活動が展開された。点検対象となった機種の中には、のちにリコールの対象となる事故当該機種も含まれていた [ 16 ] 。
同社の共通している点のある事故
その後、同社は2007年 5月30日 に 電子レンジ や 冷蔵庫 、衣類乾燥機の一部機種で部品の不具合による発火などの恐れがあるとして、28機種、推定約300万台を無料で点検・修理すると発表した [ 2 ] 。同社の製品回収規模としては過去最大となる。
当初は偶発的な事故として見ていたが、FF式石油暖房機による一酸化炭素中毒事故で死傷者を出した反省から、各製品の点検を行ったところ共通した欠陥が見つかった。火災やそれに関連した死者は出なかったものの、一酸化炭素中毒事故がなければそのまま放置されていた可能性が強いため、安全意識の欠如が問われる形となった。
↑ 正式なタイトルは「謹告 ナショナルFF式石油暖房機及び石油フラットラジアントヒーターご愛用のお客様へ お知らせとお願い」
↑ 正式なタイトルは「謹告 一九八五年から一九九二年製のナショナルFF式石油暖房機及び石油フラットラジアントヒーターには事故に至る危険性があります。」
↑ 修理済の機種も含む。そのシーズンだけは対象製品の無償修理で凌ぎ、シーズンが明けてから回収することを想定している。
↑ オープニングと提供クレジットは通常通りだった。
↑ 厳密にはFE式(強制排気型)であるが、給排気以外は同一構造のためFF式としてまとめられている。
↑ >英文のチラシも同様に「Panasonic Corporation (former Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.) 」。 [ 14 ] 。
↑ Nationalブランド製品情報の公式サイトで使用していたドメイン名「national.jp」等をブラウザのアドレスバーへの直接入力等をすると表示される(事実上このリダイレクトのためだけにパナソニックはnational.jpドメインを更新し続けている)。
1 2 「CO中毒か 小6が死亡 福島の宿泊先」『朝日新聞』朝日新聞社、2005年1月7日、朝刊。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 “ 松下電器製石油ファンヒータートラブル ”. 失敗知識データベース . 失敗学会 . 2021年1月25日閲覧。
1 2 3 4 5 6 7 “ 石油温風暖房機事故の原因究明等に関する調査報告書 ” (PDF). 独立行政法人製品評価技術基盤機構 (2006年5月31日). 2024年7月29日閲覧。
1 2 3 4 「松下電器の石油温風機 CO中毒、連続3件 同型15万台無料点検」『朝日新聞』朝日新聞、2005年4月21日、朝刊、35面。
↑ 「社会面」『朝日新聞』2005年4月21日、朝刊・広告欄より、35面。
1 2 3 4 「温風機欠陥 後手の松下 進まぬ修理 9万台、まだ手つかず」『朝日新聞』朝日新聞社、2005年12月7日、朝刊、11面。
1 2 「松下製温風機 リコール中また死者 経産省緊急回収を命令」『朝日新聞』2005年11月30日、朝刊、39面。
↑ “ FF式石油温風機及び石油フラットラジアントヒーター 安全確保のための再度の『謹告』について ”. 2013年6月3日時点の オリジナル よりアーカイブ。2018年4月7日閲覧。
↑ “ 引き続き、お客様へのお願いです ナショナルFF式石油暖房機を探しています ”. パナソニック. 2025年2月12日閲覧。
1 2 「松下温風機 交換ホース『抜けやすい』 リコール後、業者指摘」『朝日新聞』朝日新聞社、2005年12月7日、朝刊、19面。
↑ 『朝日新聞』2005年11月30日朝刊39ページ社会面の広告欄より
↑ 「朝日新聞」『朝日新聞』2005年12月8日、朝刊、22面。
↑ BCN+R. “ 松下、「心からのお願い」届きはじめる、石油温風器問題の告知はがき各戸に ”. BCN+R . 2026年2月12日閲覧。
↑ “ 英文 [PRODUCT RECALL National FF-type kerosene heaters manufactured between 1985 and 1992. (PDF形式 393KB)(2025年8月1日更新)]” (英語). パナソニック. 2026年3月2日閲覧。
↑ “ 石油機器製品の生産完了について ”. panasonic.co.jp . パナソニック. 2026年2月12日閲覧。
↑ “ ナショナル石油暖房機「ご愛顧御礼キャンペーン」のご案内 ”. 松下電器産業 (2005年2月10日). 2005年4月5日時点の オリジナル よりアーカイブ。2024年7月29日閲覧。
松下電器製の温風器で一酸化炭素中毒事故
リコール社告 引き続き、お客様へのお願いです ナショナルFF式石油暖房機を探しています - Panasonic
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